
ピープルマネジメントとは|求められる背景やメリットを解説

ピープルマネジメントとは
まずは、ピープルマネジメントとはどのような手法なのかを見ていきましょう。
ピープルマネジメントの目的
ピープルマネジメントとは、従業員一人ひとりと向き合い、個々の能力を最大限に引き出せるよう支援するマネジメント手法です。仕事の成果だけに着目するのではなく、定期的な対話や支援を通して、従業員のモチベーションやエンゲージメント(企業に対する愛着度)を高めることに重きを置いています。
ピープルマネジメントの目的は、組織の成果を最大化することです。従業員一人ひとりの成長や成功に積極的に関わり、従業員が自らの強みやスキルを十分に発揮できるよう支援することで、組織全体のパフォーマンスを高める狙いがあります。
タレントマネジメントとの違い
ピープルマネジメントはタレントマネジメントと混同されやすいですが、アプローチの方法と範囲に違いがあります。
タレントマネジメントは、従業員が持つスキルや経験をデータで集約・一元管理し、人材育成や人員配置に役立てる手法です。どちらかと言うと企業主体の取り組みであり、組織全体の人事戦略の一環として活用されます。
一方、ピープルマネジメントは従業員一人ひとりの成長や成功にフォーカスした手法で、取り組みの主体は現場(管理職と部下にあたる従業員)にあると言えます。
ピープルマネジメントが求められる背景
ピープルマネジメントは従業員一人ひとりと伴走するため、相応の時間や労力が必要です。しかし、従来型のマネジメント手法からピープルマネジメントにシフトする企業が増えています。
その背景には、急速に変化するビジネス環境や多様化する働き方などが影響していると考えられます。ここでは、ピープルマネジメントが求められている3つの背景について見ていきます。
ビジネス環境の変化(VUCA時代)
ビジネス環境が目まぐるしく変わる現代は「VUCA(ブーカ)時代」と呼ばれます。VUCAとは下記の頭文字をとった略語で、不確実性が高く、将来の予測が困難な状況を表しています。
- Volatility(変動性)
- Uncertainty(不確実性)
- Complexity(複雑性)/span>
- Ambiguity(曖昧性)
複雑で予測困難な時代では、従来のようにトップダウン型で上司が部下に指示を出すマネジメント方法では対応しきれなくなっています。VUCA時代に企業が勝ち残るには、上司の指示に従うだけではなく、主体的に考え行動できる自律性の高い人材の育成が必要です。
そのため、一人ひとりの可能性を引き出し、主体性の向上に役立つピープルマネジメントが注目されています。
働き方や価値観の多様化
近年は、働き方や価値観の多様化が進んでいます。コロナ禍の影響でテレワークや在宅勤務は一般化しつつあり、副業を認める企業も増えています。世代の変化を見ても、個性や多様性を重視するミレニアル世代やZ世代が今後の働き手の中心となります。仕事やキャリアに対する考え方も多岐にわたる現状において、従来のような画一的なマネジメント方法は通用しづらくなっています。
このような時代の変化に対応するためには、それぞれの個性を認め、多様な価値観を受け入れるピープルマネジメントがフィットすると考えられています。
労働市場の流動化・人材不足
終身雇用が一般的だった時代では、転職を考える人は少数派でした。しかし今は、働き方やキャリアに対する考え方が多様化しているため、一つの会社にこだわらず、転職や独立にチャレンジしたいと考える人が増えています。このような変化に伴い、労働市場は流動化が進んでいます。また、少子高齢化により人手不足も進んでいるため、企業は人材確保の取り組みを強化する必要性が高まっています。
そこで、自社に対する満足度やエンゲージメントを高め、長く働いてもらうためにピープルマネジメントを導入する企業が増えています。
ピープルマネジメントで期待できる効果・メリット
企業がピープルマネジメントを導入すると、主に3つのメリットが期待できます。
一つずつ見ていきましょう。
従業員のエンゲージメント向上
まず挙げられるメリットは、自社に対する愛着度や帰属意識の向上です。従業員一人ひとりとじっくり向き合うピープルマネジメントでは、上司と部下のコミュニケーションが増えるため、信頼関係が生まれやすくなると考えられています。上司と部下の心理的な距離が縮まることで、会社に対してポジティブな意識やエンゲージメントが醸成されます。
従業員の自主性・自律性の向上
ピープルマネジメントを取り入れると、従業員のマネジメント方法が指示型からサポート型に変わります。上司がサポート役に徹することで、従業員は自身の役割や目標について自発的に考え、行動するようになると考えられます。従業員の自主性が高まれば、目標達成や課題解決に向けて、上司の指示を待たずに主体的に取り組むようになります。自走できる従業員が増えることで、業務効率や生産性の向上にも寄与します。
人材の定着率の向上
ピープルマネジメントを通して、従業員一人ひとりが能力を発揮しやすい環境が整えば、業務に対する満足度やモチベーションが向上します。また、親身な支援によって上司や同僚と良好な関係を築き、エンゲージメントが向上することで、「この会社に貢献し続けたい」という意欲の向上が期待できます。これにより、離職率が低下し、長期的に企業の成長を支える人材の安定的な確保が可能になります。
チームの自律性を高める!アスリーブレインズの「組織力向上研修」
アスリーブレインズは、2006年に設立されたIT研修会社です。企業のIT人材やエンジニアの育成に役立つさまざまな研修メニューを提供しており、研修の満足度やリピート率は共に90%以上と高い評価を受けています。
当社はマネジメントスキルの向上に役立つ研修も取り揃えており、今の時代に合った実践的なノウハウを身に付けることができます。
研修の概要
【超実践型】自ら成長する組織力向上研修 ~潜在能力を最大限に引き出す~
日数 |
2日間(9:30~18:30) |
開催形式 |
オンラインまたは対面 |
定員数 |
20名 |
対象者 |
組織やチームのパフォーマンス向上に関心があり、現代的なマネジメントスキルを習得したい方 <このような方におススメ>
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研修内容 |
1.複雑性への対処 2.モチベーション管理 3.効果的な権限委譲 4.文化と価値観 5.組織能力の開発 6.チームの構造と拡大 7.チェンジマネジメント |
※研修内容は随時アップデートをしますので、ご了承ください。
本研修は、1社様向け研修の開催を承ります。
開催日程・受講人数・場所・内容など、お客様のご要望に応じたアレンジやご提案が可能です。
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ピープルマネジメントは、不確実性が高く、価値観の多様化が進む現代にフィットしたマネジメント手法です。従業員一人ひとりと向き合い、個々の能力が発揮できるよう支援することは、自律性の高い組織づくりに役立ちます。
本記事でご紹介したポイントを参考に、自社のマネジメント手法を見直してみてはいかがでしょうか。
実践的な組織力向上研修にご興味がある方は、ぜひ一度、ご相談ください。
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