
VUCA時代に求められるリーダーシップ・マネジメントとは

リーダーシップとマネジメント
リーダーシップとマネジメントは、管理職に必要不可欠なスキルです。両者は混同されることがありますが、それぞれ異なる役割があります。
まずは、リーダーシップとマネジメントの意味や役割について見ていきましょう。
リーダーシップとは
リーダーシップ(leadership)は、日本語で「指導力」や「統率力」を意味します。ビジネスにおいては、目標達成や課題解決に向けてビジョンや方向性を示し、組織を牽引するスキルといえます。単に指示や命令をすることではなく、メンバーに動機づけを行いながら進むべき方向へ導くことが求められます。
リーダ-シップは先天的な資質とは異なるため、トレーニングによって身に付けることができます。
マネジメントとは
マネジメント(management)は「経営」や「管理」を意味し、企業においては主に経営管理や組織運営を指します。具体的には、組織の目標達成に向けて計画を立て、リソース(人員・時間・予算など)の効果的な配分や進捗管理を行います。マネジメントでは、メンバーの育成や管理を行いながら、組織の機能を十分に発揮させることが求められます。
マネジメントスキルも、適切なトレーニングによって向上させることができます。
リーダーシップとマネジメントの違い
リーダーシップとマネジメントは、どちらも組織の成果向上や目標達成を目的としています。両者には共通項もあるため完全に区別することは難しいですが、目標達成に向けたアプローチ方法が異なります。
リーダーシップは、目指すべきビジョンや方向性を示した上で、メンバーを鼓舞しながら自発的な行動を促します。一方、マネジメントでは業務を効率的に遂行・管理することに重きを置き、目標達成に向けたプロセス管理や人材管理を担います。
VUCA時代に求められる組織マネジメントとは
現代は「VUCA時代」と呼ばれており、必要とされるリーダーシップやマネジメントの形も変わりつつあります。
VUCAとは、下記の頭文字を取った造語で、不確実性が高く将来の予測が困難なビジネス環境や社会特性を表しています。
- Volatility(不安定性): 物事が急速に変わりやすい状況
- Uncertainty(不確実性): 何が起こるか予測できず、将来の見通しが不明瞭な状況
- Complexity(複雑性):多くの要素が絡み合い、理解するのが困難な状況
- Ambiguity(曖昧さ): 一つのものの捉え方が複数あり、問題の解決方法が見えづらい状況
ここでは、VUCA時代に求められる組織マネジメントについて見ていきます。
組織のビジョンを明確化する
複雑で先行きが見通しづらいVUCA時代においては、組織のビジョンを明確化することがますます重要になります。経営層やリーダーがビジョンを示して組織全体で共有することで、変化する環境下においても、メンバー一人ひとりが方向性を見失わずに行動できるようになります。
管理職は、経営層が掲げたビジョンに基づいて組織をマネジメントすることが求められます。ビジョンは抽象的なものになりがちですが、目指すべき方向をしっかりと理解した上で、具体的な行動計画に落とし込む必要があります。
マネジメント手法を見直す
VUCA時代では、従来の明確な階層構造と指示命令を基盤としたトップダウン型のマネジメント手法は不向きといえます。従来のマネジメント手法は、変化が少ないビジネス環境や計画通りに進行する事業には適していますが、VUCA時代では柔軟性や迅速な意思決定が求められます。そのため、変化に柔軟に適応できるアジャイル型のマネジメントを取り入れて組織構造のフラット化を進めるなど、従来の枠組みを見直すことが重要です。
「OODAループ」を取り入れる
変化の激しい時代に適した意思決定プロセス「OODAループ」を取り入れることも有効です。OODAループは、下記4つのステップで構成されます。
1.Observe(観察)
2.Orient(状況判断)
3.Decide(意思決定)
4.Act(実行)
業務改善の代表的な手法であるPDCA(計画・実行・評価・改善)サイクルは計画立案から始まりますが、OODAループでは計画を立てる前に観察と状況判断を入念に行います。このプロセスをくり返すことで、不確実で変化する環境においても柔軟に適応し、意思決定を迅速に行えるようになります。
VUCA時代に適したリーダーシップのスタイル
続いて、VUCA時代に適応しやすいリーダーシップの在り方を見ていきましょう。ここでは、3つのスタイルをご紹介します。
サーバント・リーダーシップ
サーバント(servant)には「奉仕者」や「使用人」という意味があり、サーバント・リーダーシップは支援型・奉仕型のリーダーシップと呼ばれています。強い権威でメンバーを支配するのではなく、傾聴と共感など相手を尊重する姿勢でメンバーを支援しながら導いていく点が特徴です。
リーダーがメンバー一人ひとりの力を引き出す支援を行うことで、個々の自律性や信頼関係が高まり、変化に柔軟に対応できる組織作りに寄与します。
セキュアベース・リーダーシップ
セキュアベース・リーダーシップとは、リーダー自身がセキュアベース(secure base:安全基地)となり、メンバーの挑戦を促すスタイルです。安心してチャレンジできる環境を提供することで、メンバーは失敗やリスクを恐れずに創造的な行動を取りやすくなります。
新しいことに挑戦しやすい組織風土が醸成されることで、組織の成長につながるアイディアやイノベーションが生まれやすくなります。
オーセンティック・リーダーシップ
オーセンティック(authentic)には「本物」「信頼できる」という意味があります。オーセンティック・リーダーシップは、リーダーが自身の価値観や信条に基づいて行動することが特徴です。カリスマ的なリーダーを真似るスタイルではないことから、「自分らしいリーダーシップ」とも呼ばれています。
オーセンティック型のリーダーは、自己を偽らず、メンバーに対して真心を持って本音で向き合います。高い自己認識に基づいた一貫性のあるリーダーシップにより、メンバーとの信頼関係が深まり、組織の方向性も定まりやすくなります。
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当社はマネジメントスキルの向上に役立つ研修も取り揃えており、今の時代に合った実践的なスキルを身に付けることができます。
組織力向上研修の概要
【超実践型】自ら成長する組織力向上研修 ~潜在能力を最大限に引き出す~
日数 |
2日間(9:30~18:30) |
開催形式 |
オンラインまたは対面 |
定員数 |
20名 |
対象者 |
組織やチームのパフォーマンス向上に関心があり、現代的なマネジメントスキルを習得したい方 <このような方におススメ>
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研修内容 |
1.複雑性への対処 2.モチベーション管理 3.効果的な権限委譲 4.文化と価値観 5.組織能力の開発 6.チームの構造と拡大 7.チェンジマネジメント |
※研修内容は随時アップデートをしますので、ご了承ください。
本研修は、1社様向け研修の開催を承ります。
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組織力を高めてVUCA時代を突破しよう
変化が激しく先行きが不透明なVUCA時代では、環境変化への適応力が高い自律型の組織作りが求められています。従来型のリーダーシップやマネジメントが通用しづらくなっているため、時代に合ったスタイルを取り入れることも重要です。本記事でご紹介したポイントを参考に、自社の組織作りを見直してみてはいかがでしょうか。
実践的な組織力向上研修にご興味がある方は、ぜひ一度、ご相談ください。
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